写真家・三井昌志と撮るインド・バラナシ④ 被写体とのコミュニケーションについて学んだこと

バラナシ郊外の野菜市場へ向かう

前回のバラナシのガートを歩き終わったところからの続きです。

ホテルで朝食を済ませたらバラナシ郊外の野菜市場へ向かいます。

市場は普段から人目にさらされているため人の写真を撮るにはとても良い場所だそうです。

そこで写真を撮影するときのコミュニケーションの秘訣を三井さんに教えていただいたので、自分のできる範囲のことをやってみました。

それでは早速撮影していきましょう。

DSC_6091

あれ…、なんでポートレートじゃなくてライムを撮影しているのでしょうか。これには理由があります。

いきなり近づいてカメラを向けると警戒心が生まれるため、何食わぬ顔で被写体に近づいて行って目が合ったら笑顔で挨拶を交わします。

自分が外国人が珍しいところで暮らしている逆の立場だったら、いきなりカメラを向けられたらやはり警戒するでしょう。

そこで売っている野菜を撮影させてもらいカメラのモニターでその野菜の画像を見せます。その時に『いい野菜だね。』など何でもよいのですが笑顔で声をかけることで警戒心が解けていきます。

そうすることで野菜を撮影に来た外国人ということが認識されて、人物にカメラを向けても自然な表情で対応してくれる可能性が高まります。

全てこのパターンで上手くいくわけではありませんが撮影の引き出しとして持っていると便利です。

DSC_6026

いい笑顔を向けてくれました。

DSC_6023 DSC_6008

バラナシ郊外の村へ

市場での撮影のあとは再びバラナシ郊外の村へ向かいます。

前日の他の村では見事に子供たちに逃げられてまともな写真が撮影できませんでした。今回はその反省点を生かして、被写体とのコミュニケーションに着目して撮影を進めていきます。

このツアーのメインの撮影はこれが最後です。

ワゴンから町に降りる前に三井さんからツアー参加者に向けてメッセージがありました。そのメッセージはツアー参加者の方々に疑似的な『たびそら』を体験してほしいということでした。

それは知らない町へ一人で行って人々とコミュニケーションをとって写真を撮るという行為を楽しんでほしい、自分が好きなシーンを追いかけてほしいということでした。

被写体とのコミュニケーションについて

被写体となる人が目の前の外国人と目を合わせるとどういった反応をするか、それを観察することがコミュニケーションの始まりです。

①目が合うと笑顔になる人、②こちらから笑いかけると笑顔になる人、③全く笑顔にならない人、④不快な表情をする人、など人々の反応は様々です。

①②の人はこちらに興味や好意があるで写真を撮らせてもらえる可能性が高いです。③④の人でも絵になる人物なら何とかして撮影させてもらいたいところですね。

これが正解という方法はありませんが、僕が三井さんから教えていただいて実践した方法をご紹介したいと思います。

DSC_6127

町を歩いていると牛糞をこねて燃料の元を作っている親子を見つけました。お母さんのほうは笑顔を向けてくれていますが、こどもの方は『チッ、めんどくせえな。』的な表情をしています。

お母さんが①の状態でこどもが④の状態です。

そこでまずお母さんの笑顔を撮影した写真を一眼レフのモニターでこどもに見せてあげます。

DSC_6129

すると好奇心や安心感が出てきたようで僕も撮ってほしいという感じになりました。お母さんもさあ撮ってもらいなさいといった感じです。

DSC_6132

じゃあ二人笑顔で並んでねと言って撮影した写真がこちらです。ここで真ん中の写真くらいの笑顔が出れば良かったのですが一応これをOKカットとしました。

ポイントは自分に対して興味を向けてくれている人から味方につけていくことです。

この二人に最初に合ったときの『チッ、めんどくせえな。』的な表情のこどもにいきなりカメラを向けても良い表情は引き出せません。

まずはお母さんを撮影した写真を二人に見せることでこどもに安心感を与えます。そうすると警戒心が解けて自然な表情の写真が撮れる場合が多いです。

このこどもは『④不快な表情をする人』だったのですが、警戒心が解けると自然な表情を向けてくれるようになりました。

僕が撮影したバラナシ郊外の人々

DSC_6171

ポートレートになるべく余計なものは入れずこの場合の背景は黒く沈ませて、女性が触っている黄色い壁を少しだけ入れました。

日中のバラナシの日差しは強烈なので地面に反射した光でも被写体を明るく照らしています。

DSC_6143

井戸の水で水浴びをする兄弟(?)。逆光が被写体に立体感を与えています。

DSC_6212

日陰で休憩する男。背景の古びた感じと調和しています。

DSC_6241

少年の笑顔。笑顔はそこにいる人たちに連鎖していきます。

警戒心から始まった関係でしたが何らかの形でコミュニケーションをとって、安心や信用ができれば自然な笑顔を引き出せる可能性があることに気付きました。

DSC_6161

やさしい目をしたおじさん。

DSC_6292

僕が安全な人間だとわかると自然体になって自作の遊具で遊び始めます。

DSC_6290

うちのおばあちゃんを撮ってほしいとこども達が家の奥からおばあちゃんを連れてきました。

サリーと威厳のある表情が良いですね。

DSC_6166

外国人が珍しいので外で撮影をしているとみんな集まってきます。木陰で休んでいると水やお菓子をくれてみんなとても親切です。

こういう集合写真を作品としてとらえるのは難しいですが思い出として載せておきます。

このツアーを終えて思ったこと

DSC_6265

写真家の三井昌志さんにバラナシで直接写真を教えていただいて、改めて写真の楽しさと奥深さに気付きました。悩んでいたポートレートの撮り方について学べたことがとても良かったです。

今までは何も考えずただシャッターを切っていただけでしたが、今回のツアーをきっかけに納得がいくカットが撮れるまで試行錯誤してシャッターを切るようになりました。

納得がいくカットということを突き詰めて考えると、自分が好きなシーン、場所、構図、天候、光、テーマなどあらゆることについて考えていかなければならないことに気付きました。

自分はその入り口をやっと見たのだと思いました。

写真とは情報の選択だと言われています。目の前に広がる光景の一部分しか画像として記憶することができません。

写真とは物事のほんの一部分と一瞬しか表現できないものかもしれません。

だからこそ余計なものは捨てて好きなものを集め続けていく、フレームの中に自分が表現したいものだけを入れるという作業の連続が上達への道のりなのかもしれないと思いました。

『心を揺さぶる写真』とはシンプルで力強いもののことを言うのかもしれません。

様々な視点を与えてくれた写真家の三井昌志さん、このツアーを企画していただいたGNHトラベル&サービスさん、一緒に写真を学んだツアー参加者の皆さん、ありがとうございました!

写真家・三井昌志と撮るインド・バラナシ 番外編

2016.07.29

スポンサードリンク

/td>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.