僕は旅に出かけるとなるべくサンライズとサンセットの瞬間に立ち会おうと努力します。
その理由を一言で説明することは難しいのですが、日常の喧騒から遠く離れた場所で一日の始まりと終わりを美しく感じることができる時間だからなのではないかなと思っています。
その感動を真空パックのようなものに保存しておきたいと思うので、重たいカメラと三脚を持って旅に出るのかもしれません。
インドの混沌とした雰囲気を持つジョードプルの街ですが、サンライズとサンセットの時間に丘に登れば日中とはまた違ったドラマチックな表情を見ることができます。
ジョードプルの朝焼けとサンライズ

これはジョードプルの夜明け前の写真です。
写真左側が日の出の方向なので空が少し赤らんでいます。
僕は朝焼けや夕焼けをより良く撮影するために太陽の軌道を確認していて、iPhoneのSun Seekerというアプリを活用しています。

メヘラーンガル砦を撮影した位置から左に移動して朝焼けのグラデーションを狙います。
Sun Seekerを使用すると太陽が地平線の下に潜っているのがわかります。
そこを中心に空が徐々に変化していきます。

静寂に包まれた朝焼けの中でシャッターを切りました。
ドラマチックに空が変化する時間はほんのひと時です。
日の出が近くなるにつれて空の静寂な青が薄れていって暖色に変わっていきます。
遠くに見えるのはウメイド・バワン宮殿で現在もマハーラージャが住んでいる場所だそうです。

太陽が出てくると構図の自由度が下がる気がします。
僕は日が昇る少し前の方の空の方が好みなのです。
ジョードプルのサンセットと夜景

ジョードプルではメヘラーンガル砦の城壁の奥に太陽が沈むので、サンセットと街全体が見渡せる高台で日没前から待機します。

こんな感じの開けた場所に到着です。
あまり人がいない場所なので三脚立て放題。日本の撮影スポットみたいに混んでなくて良いです。
野犬がまとわりついて怖かったですが、食べ物を持っていないとわかると何処かへ去っていきました。

構図を決めてマジックアワーが訪れるのを待ちます。
日が沈んでから空が暗くなるまでの時間をマジックアワーと言いますが、この時間帯は非日常的で幻想的な写真が撮れるので魔法の時間と言うのでしょうね。

夕日がメヘラーンガル砦の右側にある城壁の奥に消えていきました。

ほぼ同じ構図でも空の色の移り変わりで印象が大きく違います。

夕日の赤と空の青が混在する時間です。
空が青くなり始めて漆黒の黒に変わるまでの時間帯をブルーモーメントと言います。
夜景の撮影に好まれる時間帯だと言われていますね。

まだ空に青さが残っていますが時期に真っ暗になります。
僕は旅先でサンライズやサンセットを見ながら地球って凄えなとふと思うのです。
明日の食事や生活に困ってなければ誰しもこの瞬間を美しいと感じることができるのではないでしょうか。
そんな普遍的な美しさを持つこの時間帯の写真が好きなのです。
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