少し前に初めて写真展をさせていただいたのですが、その時のプリントに違和感を感じていてプロ用のプリンターの導入を考えていました。
パソコンのモニターの明るさと色味は実際に紙に印刷してみなければわからないものがあります。
自分が選んだ好みの紙にテストプリントを繰り返しながら作品を作っていくという作業工程を得るにはプリンターの導入が不可欠です。
もし買うならエプソンのSC-PX5VIIかなーと思いながら色々と調べる日々が続きました。
プロ仕様のプリンターの性能は最高なのですが色々とデメリットもあって導入をためらっていました。
買うと高いし管理が面倒だから安く貸してくれるところはないかとプリンターのレンタルサービスを探していると、都内で格安のレンタルラボを発見したのでこっそりと紹介します。
目次
プロ用プリンターのデメリット(SC-PX5VII)

まず僕が購入を検討していたエプソンSC-PX5VIIについて考えたデメリットを書いてみます。
デカくて重い
まずはプロ用というには大きなサイズの印刷が前提となってきますので必然的にプリンターのサイズも大きくなります。
エプソンSC-PX5VIIに関していうとA3ノビまで印刷できるプリンターなので、寸法が幅616×奥369×高さ228、重量が約15kgあります。
置き場所を考えておかないと結構やばいやつです。
売却や処分する時のことも不安だ…。
ランニングコストが高い
まずインク代が高い。
9本すべてのインクを交換すると2万円近い出費になります。
加えてこのプリンターにはインクを無駄に消費させるシステムがあり、モノクロとカラー印刷の切り替えをするとノズルの洗浄のためにかなりのインクが廃棄されてしまうようです(この点は次のモデルで改善してもらいたいところですね!)。
加えて長く使っていると廃インク吸引パットの交換というイベントが発生します。
この部品の交換のためにプリンターをエプソンに送り返さなければなりません。
つまり元の箱や緩衝材はとっておかなければならないのです。
そして廃インク吸引パットの交換と往復の送料はユーザー負担なので、これもおそらく数万円の出費になると思われます。
発売から割と年数が経過している
発売日が2014年11月6日となっているので、もしかしたら新製品が発表される可能性も否めません。
新製品が出たからといってプリンターの性能が格段に上がるとも思いませんけど、SC-PX5VIIを買ってすぐに新製品が発表されたら嫌だなと思ったのは正直なところです。
そんなこんなで僕はこいつと付き合っていく覚悟ができませんでしたのでひとまずレンタルラボで凌ぐことにしました。
CALOTYPEが安くてオススメ!

CALOTYPEは市ヶ谷駅から徒歩5分ほどにあるレンタルラボです。
四ツ谷駅から歩いても15分くらいで着きますので、晴れた日に川沿いを歩けば良い散歩になります。
大日本印刷の近くにあるビルの一室がCALOTYPEになっています。

ワークショップや暗室でのフィルム現像で利用される方が多いみたいですが、僕はSC-PX5VIIをお借りしてデジタル写真のプリントをさせていただいてます。
特筆すべきは利用料金の安さ。
詳細に関してはHPを見ていただきたいのですが、デジタルラボのレンタル代が1時間600円で、1時間を超えた半端な時間でも10分100円で計算してくれます。
プリントにかかるインク代は別途でかかりますが、他のレンタルラボの利用料金と比べるとトータルで安いと思います。
よく使う紙のサイズの一枚あたりのインク代はというと、2Lが75円、A4が150円、A3が300円です。
紙の持ち込みは自由ですが、使用後にノズルのクリーニングが必要になるアート紙(和紙など)を使う場合は別途で500円が必要になります。
参考までに僕が直近で作業した時のお会計を紹介すると、1時間50分の利用で2Lが18枚、A3が5枚で3,950円でした。
2Lの小さめの紙にテストプリントを繰り返しながらA3の作品を仕上げるという夢にまで見た(?)作業工程が実現できました。
プロ用のプリンターは最高だ!


左がレンタルラボでSC-PX5VII+ピクトリコスムーズフォトペーパーを使用、右がカメラのキタムラのクリスタルプリント。
光の当たり具合でクリスタルプリントがより一層悪く見えますが、そこを配慮して比べてもプリントのクオリティが全然違います。
カメラのキタムラのクリスタルプリントの名誉のために言っておきますが、ネットプリントという仕組みではユーザーの意思を100%反映することは難しいのです。
僕はこの写真の現像に2Lに3回プリントして色や明るさを確認しています。
今回気付かされたことは、印刷という作業が自分の作品に命を吹き込むような繊細な作業だということです。
写真はホームページで見てもらえばいいかなと思っていた時期がありましたが、それぞれが多種多様なスマホやPCのモニターで見る僕の写真は微妙に違ったものになっているかもしれません。
そんなに大それた写真を撮るわけではありませんし、俺の写真を見てくれというゴリゴリの承認欲求があるわけではないのですが、自分の作品に最終的な結論を出す手段は紙に印刷するということなのかもしれないと考えさせられました。
次にプリントした写真を展示する機会があれば、来てくれた人にもっと良いものを見ていただきたいなと思っています。
レンタルラボはお得なのか?

プリンターの購入が良いかレンタルが良いかは、プリントの頻度や人それぞれの価値観によると思います。
フォトコンに応募したり、プリントした写真を売ったりあげたりと頻繁にプリント作業が必要であれば、やはりプリンターを手元に置いておくべきだと思います。
僕は年に数回しかプリントする予定がないと判断したのでレンタルという手段を選びました。
購入かレンタルが良いかの判断の一助のためにエプソンのSC-PX5VII の印刷コストを考えてみましょう。

SC-PX5VIIの印刷コストがL判一枚18.9円です。
この中に用紙代が含まれているのですが、500枚入りで2,143円という写真用紙としてはかなり安いもので一枚あたり4.2円。
用紙代を除いたL判一枚のインク代が14.7円です。
僕が最近利用したレンタルラボの料金からインク代とサービス料を分けて考えてみましょう。
2L判はL判の2倍の面積なのでインクのコストも2倍して考えます。
その他のサイズもL判のサイズの何倍かを基準にしてインクのコストを割り出します。
SC-PX5VIIの純粋なインク代を計算すると、2L判で29.4円、A4で80.5円、A3で161.7円となりました。
新品のSC-PX5VIIにインクが付属しているので購入後しばらくはインク代のことは考えなくても良いと思いますが、SC-PX5VIIの一枚あたりのインク代を計算してみると割と高いです。
僕は最近のレンタルラボの利用で、2Lが18枚(29.4×18=529.2円)とA3が5枚(808.5円)の印刷をしたので、純粋なインク代の合計が1337.7円となります。
今回のレンタルラボの代金3,950円から1337円を引くと2,573円です。
この2,573円がSC-PX5VIIをCALOTYPEからレンタルしている純粋なサービス料金になります。
SC-PX5VIIの購入は、レンタルラボ代+交通費+予約の手間をどう考えるかですね。
純粋なサービス料金を計算したところで財布から消えていくお金は3,950円に変わりないのですが、それによってインクやプリンターを管理するコストをお店が負担してくれています。
この価格でプロ用プリンターを借りて印刷できるのであれば安いのではないかと僕は思います。
まとめ
長々とまとまりのないプリンターと印刷の話をしてしまいました…。
記事のまとめとして、
使用頻度が少なければレンタルラボを検討。
その中でもCALOTYPEが安くて良い。
プロ用のプリンターで印刷すると満足感がすごい。
SC-PX5VIIの一枚あたりの印刷コストとレンタルラボを比べて考えてみよう。
という感じのことでした。
CALOTYPEを紹介して予約が一杯になると困るなと思う反面(僕が使えなくなったら困る…笑)、とても良心価格なレンタルラボなので印刷やプリンター選びに迷って悩んでいる同志(?)に知ってもらいたいという思いで記事にしてみました。
皆さまも良いフォトライフを!
ではまた。
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